
10月29日、ヤマハから“ルール限界の慣性モーメントに加え世界初の弾道調整機能を搭載し、直進安定性を徹底的に追求したドライバー”「RMX VD(リミックス ブイディー) 59」「RMX VD」の2モデルが発売されました。「RMX VD」シリーズはドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアン、ウェッジのフルラインナップとなります。
今回発売された「RMX VD」シリーズは、これまでの常識を覆す性能やテクノロジーを搭載した「RMX(リミックス)」の新モデルです。ドライバーは、すべてのゴルファーがスクエアなインパクトを実現できる、慣性モーメントの変わらない世界初の弾道調整「RMX VDウェイトシステム」(特許出願中)を搭載しています。シリーズ名「VD」の由来は、Vは「Vector(向き、直進・ベクトル)」、Dは「Direction(方向)」の頭文字。「RMX」が直進安定性の分野でナンバーワンになるという思いを込めたシリーズ名となっています。
では、実際購入する時、どっちを選べばいいのか。兄弟モデルとなる「RMX VD 59」と「RMX VD」の違いをまとめてみました。

前述の通り、シリーズ名の由来となる「VD」はベクトルとディレクションという、どちらも方向性を意味する言葉です。まずここがポイントとなります。例えば一般的なドライバーのシリーズなら「パワー」とか「スピード」とか「長距離」を連想させるような言葉を使ったシリーズ名にしそうですよね。飛距離性能が優先されがちなドライバーのキャッチコピーにおいて、ここまで方向性に振り切ったのは異例といえます。では“直進安定性ナンバーワン”になるために投入されたテクノロジーが何なのか、見ていきましょう。
1.独自の弾道調整「RMX VDウェイトシステム」を搭載

すべてのゴルファーに圧倒的な直進安定性を実現するために、新機能「RMX VDウェイトシステム」が搭載されました。「RMX VD 59」は30.5~36.5度、「RMX VD」は26.5~31度という広い範囲で重心角を調整できる本機能は、慣性モーメントが変化しない独自の構造により、どのポジションでも、ルール限界の“曲がりにくさ”を損なうことなくスクエアインパクトを作り出すことができます。
2.感性を科学し「飛ぶところで打てる」を実現するヘッド形状

無意識のうちにヘッド高さの中央付近で打とうとするゴルファーの傾向に注目し、その部分と「最も飛ぶところ(最適打点)=フェース中心のやや上部」とが一致するように、クラウン形状とフェースデザインを設計。クラウンに膨らみを持たせることでヘッドの全高を上げると同時に、クラウンとフェースの境界部分のデザインやスコアラインの見せ方を調整しています。打点がフェース上部に集まり、いつも通りのスイングでも“飛ぶ”打点でボールを捉えることができます。
3.初速アップのための「BOOSTRING」

両モデルとも、リブとホーゼルでフェース近傍をリング状に固定する「BOOSTRING」を搭載しました。ボディの変形を抑制することで全方位のたわみが均一になり、エネルギーロスが軽減されてボール初速を最大限引き出します。また、フェースエリアの軽量化を実現し(『RMX VD』では「RMX 120」に対し12%減)、フェースのエネルギー残留量が減ることで、より効率的にボールへエネルギーを伝え、ボール初速アップを実現しました。
「RMX VD」はどうして曲がらないのか?
「RMX VD」シリーズに搭載されたテクノロジーは大きく前述の3つ。ではどうして「曲がらない」のか? それは「ボールはどうして曲がるのか?」を把握することで見えてきます。

上の図はボールの球筋を平面的に見て分類したものです。球筋は大別して9つあるのですが、それぞれどの球筋になるのかは、2つの要素で決定されます。それは「スイング軌道」と「インパクト時のフェースの向き」です。例えばスライス(プルスライス)であれば「アウトサイド・イン」のスイング軌道で「インパクト時のフェースの向きが軌道に対してオープン(開いている)」ことで生じる球筋、ということですね。
逆に言えば、“スイング軌道が「インサイド・イン」”で、“インパクト時に「フェース面がスクエア(直角)」”ならストレートボールになり、曲がらないということになります。ではこの2つの条件をどう満たすか。
曲がらないショットの第一条件 「スイング軌道」への対策
まずは第一条件“スイング軌道が「インサイド・イン」”について。
スイング軌道がアウトサイド・インなのかインサイド・アウトなのかは、あくまで狙う方向に対してどうか、という話です。そのため、アドレスの立ち方を変えれば解決してしまう問題のため、実はクラブが出来ることはあまりありません。ただしシャフトの特性によってスイング軌道が改善され、よりスイングが安定したりエネルギーロスが減って飛距離が伸びる事はあるので、自分に合ったシャフトを選ぶことが大切。「RMX VD」シリーズには合計5種類のシャフトが用意されており、ヤマハのオリジナルサービス「カスタムオーダー」ではさらに多くのシャフトを選ぶ事が出来ます。
曲がらないショットの第二条件 「フェースの向き」への対策
そして第二条件の、“インパクト時に「フェース面がスクエア(直角)」”ですが、ここに「RMX VD」シリーズの真骨頂があります。
ヤマハはここ最近のモデルで「高MOI」をうたっています。MOIとは「慣性モーメント」のことで「物体の回転しにくさ」を表し、ゴルフで使われる場合は「数値が大きいほどフェースの向きが変わりづらい」と覚えておけば大丈夫です。
「お、慣性モーメントが大きければ曲がらないってこと? じゃどんどんその数値大きくしといて!」という声があるかもしれませんが、残念ながら慣性モーメントの上限は5900g・cm2(※100g・cm2の許容範囲)とルールで決められています。あまりに曲がらなすぎるクラブが出来てしまったら、それはゴルフじゃない、ということなのでしょうね。
そして「RMX VD 59」ドライバーの慣性モーメントは、現行ルールの上限値に迫る5,820g・cm²。「RMX VD」ドライバーでも5,003g・cm2あります。つまり、どちらのモデルもフェースの向きが変わりづらくなっています。
これは一見とても良いことに思えますが、裏を返せば「間違ったフェースの向きでも修正しづらい」事につながります。これでは困りますね。その問題を解決すべく、新たに搭載されたのが「RMX VDウェイトシステム」です(特許出願中)。

これはヘッド後部にある可変ウェイト位置を自分の好みのポジションに変更できるシステム。可変ウェイトシステム自体は昔からある機構ですが、「RMX VDウェイトシステム」の特長はウェイトの重さが20グラムという、今までにない重量を実現したこと、またウェイトポジションが変わっても大慣性モーメントは常に一定を保っていることです。
具体的な機能としては、ウェイトを動かすことによってヘッドの重心角が変わり、ボールのつかまりを調整できるようになります。つまり今までの大慣性モーメントドライバーの弱点だった「フェースが開いた(閉じた)ままインパクトしてしまう」事態を大重量の可変ウェイトによって解決。これによって、球のつかまりが最適化された状態のヘッドがルール上限に近い大慣性モーメントによってインパクトを迎え、曲がらないショットにつながるのです(慣性モーメントが大きいことでオフセンターヒットの場合でもヘッドがぶれにくくなります)。ちなみにウェイトの移動は付属レンチで簡単にできるので、ラウンド前の練習場で「今日はちょっと球がつかまらないな」と感じたらその場でちょちょいとウェイト位置を移動、その後のラウンドでナイスショットを連発、なんて事も可能です。
【まとめ】「RMX VD 59」と「RMX VD」。どっちを選べばいい?
では、購入の際、どちらを選ぶべきでしょうか? それは、あなたがクラブに何を求めるかによって変わります。
「RMX VD 59」ドライバーは、例えるなら自動運転の車。オートマ車を超えるイージーさで、クラブ任せで曲がらないボールを量産してくれます。方や「RMX VD」はマニュアル車とまではいかないものの、パドルシフトのスポーツカーといったところ。そもそもが趣味であるゴルフなのに、どこまでもクラブ任せにしては面白みがない、と感じる人もいるでしょう。そんな人には「RMX VD」がおすすめです。また、ある程度スイングが出来上がっている人も、「RMX VD」の方が振りづらさを感じる事が少ないでしょう。
「RMX VD」シリーズの完成度は近年のヤマハのクラブの中でも突出している、との噂があります。その噂を裏付けるのが契約プロのスイッチの早さです。2年連続賞金王に輝いた今平周吾は2021年の男子ツアー開幕戦から投入。ドライバーの変更は5年ぶりとなりました。永井花奈、篠原まりあ、福田真未らも変更し、ツアーを戦っています。
【ALBA.Net】今平周吾が5年ぶりに1W変更!「いいっす、飛びます」真っ黒プロト撮った!
相当な自信があるのか、ヤマハは「RMX VD 曲げられるものなら曲げてみろ!」という挑戦的なインスタグラムキャンペーンを11月30日まで実施中。「RMX VD」シリーズを試打して、感想をインスタグラムに投稿するだけでガーミンのゴルフウォッチほか豪華景品が当たるキャンペーンなので、まずは試打からトライしてみてはいかがでしょうか。
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