
40y、50y、60y……。コントロールショットでピンを狙うと、距離感が合わないばかりか、ダフったりトップしたりとなかなかピンに寄せられない。タテの距離感を合わせるにはどうしたらいい? 久保谷健一プロに聞いてみよう。
ALBA737号(17年11月22日発売)掲載
久保谷健一
72年生まれ、神奈川県出身。日本プロ、日本オープンを含むツアー通算7勝。45歳で迎えた17年のパナソニックオープンで優勝。生涯獲得賞金は7億円を突破した。
40・50・60ヤードの距離感の作り方
フォローは出そうとしなくていい。打って終わりのスイングでもう緩まない
インパクトを終点にすれば、上から下へしっかり振れる
コントロールショットの場合でもしっかりインパクトすることが大切。右サイドからボールを打つ前までの振り幅を調整すれば、上から下に振り下ろすことができ、距離感を合わせやすい。
「右肩から左肩まで」、「右腰から左腰まで」と、振り幅を左右対称で考えると、顔が上がったり、手首をこねてミスが出やすくなります。
フォローの振り幅を考えるとミスが出る
― 今回はコントロールショットを教わりにきました。40y、50y、60yなど、フルショットでは打てない距離が残ると、距離は合わないし、ダフることも多くて……。
久保谷 なぜミスが出るのか、まずは原因を探ってみましょう。普段はどうやってコントロールショットを打っていますか?
― クラブを短く持って、スタンスを狭めています。スタンス幅は距離が短くなるにつれて狭くしています。
久保谷 いいと思います。クラブを短く持ってスタンスを狭めることで、スイングは自然にコンパクトになりますからね。では、距離感はどうやって調整していますか?
― 振り幅でコントロールしています。ボクの場合、サンドウェッジのフルショットは80y。ですから、右肩から左肩までが60y、右腰から左腰までが50y、そして、右モモから左モモまでが40yという目安です。
久保谷 コントロールショットがうまくいかない理由が分かりました。スイングを左右対称で考えているからです。
― どういうことですか?
久保谷 私の距離感の作り方は、50yの振り幅が右腰からインパクトまで。60yならそれより少し大きめ、40yは少し小さめです。
― つまり、フォロー側を考えていないということですか?
久保谷 その通り! 体の左側の振り幅を考えるということは、ヘッドが下から上へ動く軌道を調整していることになりますよね。だから、顔が上がったり、体が左に流れたりするんです。これでは、スイングごとにヘッドスピードや軌道が変わって距離感が合いません。スイングは上から下へ振り下ろすもの。フォローは惰性だと考えてください。右サイドからインパクトまでの振り幅だけを考えれば、安定したヘッドスピードでしっかりインパクトができるので、距離感が合ってきますよ。
中途半端な距離を打つコントロールショットは、ボールを打つ瞬間までスイングする感覚。フォローは惰性と考える。ヘッドが走ってしっかりインパクトできるため、距離感を合わせやすくなります。
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40・50・60ヤードをワンピンに寄せる
高く上がったり低く出たりじゃ距離感はバラバラ。アドレスの位置に腰を戻すと出球の高さが一定になる
アドレスとインパクトの瞬間の腰のポジションを見比べると、腰がやや回っている程度。久保谷自身は「アドレスと同じ位置でインパクトしてる感覚」で打っている。
手元の位置もアドレスに戻す
腰と同様に手元もアドレスのポジションに戻してインパクトすることが重要。ハンドファーストを意識しすぎると、手元が流れてしまう。
インパクトはアドレスの再現!ヘッドの入り方が安定する
アドレスのポジションに腰の位置と手元を戻すことで、入射角が安定し、ロフトなりの球筋が打てる。
球を上げにいくとロフトが寝すぎてしまい、ハンドファーストの度合いが強いと立ちすぎてしまう。これでは距離感が安定しない。
キャッチボールの腰の回転スピードが理想
コントロールよく投げる腰の動きが理想的。腰を速く回しすぎると力が伝わらないし、腰を止めると目標方向に投げにくい。
腰は速く切らずにゆっくり戻す
― コントロールショットで狙い通りの距離を打つために、他にはどんなことに気を付ければいいですか?
久保谷 昔からいわれていることですけど、やっぱり「インパクトはアドレスの再現」という意識は大切です。
― その言葉は聞いたことはあります。でも、一方で「腰を切れ」という話もよく聞きます。ですから、ボクの場合は腰の回転スピードを意識しているんです。これって間違いですか?
久保谷 ダウンスイングで腰を切るイメージが強い人は、振り遅れてしまうケースが多いんです。
― たしかに、腰の回転スピードを上げれば上げるほど、手元が置いてけぼりになってしまう気がします。
久保谷 特にコントロールショットの場合は、スイングスピードを上げる必要はありません。ですから、アドレスの位置に腰を戻すくらいのイメージでちょうどいいんですよ。といっても、実際に球を打つとインパクトでは若干、腰は左に回っているんです。
― 腰を切るのがミスの元というのはよく分かりました。でも、どれくらいのスピード感で腰を動かせばいいんでしょうか?
久保谷 キャッチボールを思い出してください。腰は意外にゆっくり動いていますよね。その動きにつられて上半身が後からついてくる感覚。コントロールショットはまさにあの動作なんです。
― なるほど! ボールを投げるときは確かに「腰を切る」感覚ではないですね。ところで、そもそもインパクトでアドレスを再現することにはどんなメリットがありますか?
久保谷 インパクトするときのヘッドの入り方(入射角)が安定するんです。コントロールショットで距離感を合わせるには、入射角を安定させるのが絶対条件。そうすれば出球の高さが揃ってくる。アドレスのポジションに腰を戻すことが、イメージ通りの距離を打つコツなんです。
【プレジデントムック やっぱりアプローチ! 絶対失敗しない!】
「冬のアプローチは難しい」ですね。枯芝で地面が硬く、ボールが浮いているようなライはなく、土がむき出しになっているベアグラウンドの場所もあります。さらに、グリーンは速いので止めるのが厄介。アプローチのミスが響き、スコアを崩している人が少なくないのではないでしょうか。
ミスを減らす基本的なアプローチレッスンから、冬の薄芝からでも寄せられる方法、中途半端な距離からの寄せ方、憧れのスピンアプローチ習得法、いろいろな状況からでも寄せられるようになる引き出しの作り方、とこの1冊でアプローチの悩みを解決できる内容に仕上げました。
ダボを打たない、粘り強くパーを拾うゴルファーになって、好スコア連発といきましょう!
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