山下美夢有の優勝セッティング

山下美夢有の優勝セッティング【ワールドレディスサロンパスカップ】

5月第一週に行われた国内女子ツアーメジャー初戦『ワールドレディスサロンパスカップ』は、山下美夢有が初日からトップを譲らず、トータル12アンダーで初のメジャーVを飾りました。山下プロは昨年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」に続き、これで通算2勝目となりました。

直前の試合までは3戦連続の予選落ちだったのが、一転しての完全優勝。いったい何があったのか、気になりますよね。実は2つだけ、変化したところがありました。

山下美夢有はパターとプレショットルーティンを変えてメジャー獲得

変更点一つ目はパターです。それまではセンターシャフトのピン型パターを使うことが多かった山下プロですが、「ストロークでブレるのが気になっていたので、一回替えてみようかと思って」(山下プロ・以下同)とオデッセイの『ホワイトホットOG 2-BALL BLADE』に変更していました。

WHITE HOT OG 2-BALL BLADE TOUR LINED パター STROKE LABシャフト装着モデル WHITE HOT OG 2-BALL BLADE

WHITE HOT OG 2-BALL BLADE(画像はキャロウェイ公式サイトより)

「2ボールパター」とはどんなパター?

「2ボール」は、キャロウェイ社がパターブランド「オデッセイ」から2001年に発売、宮里藍やアニカ・ソレンスタムが使用したことで爆発的な人気を得たパターで、今までフェースインサートやボディデザインの異なる多くのモデルが発売されてきました。フェース後方にゴルフボールと同じ大きさの白いマークが2つ連なって配置してあり、この2つのマークの延長線上にボールを置くことで真っ直ぐ構えやすくなっています。ちなみに2001年は、山下プロが生まれた年でもあります。

2-BALL TENパター

オデッセイ 2-BALL TENパター(画像はキャロウェイ公式サイトより)
宮里藍と2ボールパター
宮里藍が愛用して大人気となったオデッセイの2ボールパター (Photo by Jeff Gross/Getty Images)

山下プロが使用したのは「2ボールブレード」タイプ。ブレードとは、いわゆるピン型のことです。何故ブレードと呼ぶかというと、「ピン型」というのはPING 社の創始者カーステン・ソルハイムが開発した「PING ANSER(アンサー)」パターの世界的ヒットの後に、同じタイプのパターの呼称として日本で定着した呼び名だからです。そして「2ボールブレード」はその名の通り、2ボール型とブレード型が融合した形状をしているのが特徴となっています。

2ball brade  putter
2ボールブレードはいいとこ取りのパター(画像はキャロウェイ公式サイトより)

2ボールブレードの良さは、2ボール型とブレード型のメリットをどちらも美味しくいただけちゃうところと言えるでしょう。具体的には2ボール型のメリットである「真っ直ぐ構えやすい」「ストロークが安定する」「オフセンターヒットでもフェースがブレない」とブレード型の「タッチが合わせやすい」ところです。またブレード型も「オフセンターヒットでもフェースがブレない」という点では同じです。山下プロも「やっぱりストロークが安定しないと思ったところに出なくて、毎回同じストロークっていうのを心掛けてるので、今週はよかったかなと思います」と優勝後に語っています。

「プレショットルーティン」とは?

プレショットルーティンとは、ショットやパットの前に行う決まった動作のこと。いつも同じリズム・タイミングでショットやパットしやすくなる効果があり、多くのプロが自分なりのプレショットルーティンを持っています。代表的なものとしてはグリップを少しだけ目標方向に押し出す「フォワードプレス」やヘッドをぶらぶらさせてその重みを感じ取る「ワッグル」などがあります。

山下プロがこの試合から取り入れたのは、ヘッドをボールの横に縦に置いてスパット(フェースの向きを目標方向に合わせるために見つける、地面上の目印)を決めるというルーティンでした。取り入れた理由を、

「やっぱりなかなか決めたところに構えれず、迷っちゃうことが多かったので、それが本当にスイングにも 影響していたので、それをしないためにはどうするかを考えていたのが、しっかり決め打ち出来るのはこれかなと思った感じです」

と説明しています。アドレスでフェースの向きが合っているかどうか不安があると、無意識にアジャストしようとしてスイングが歪んでしまうもの。それを防ぐため、山下プロはこのプレショットルーティンを大会期間中すべてのショット・パットの前に行っていました。女子ツアーの公式Twitterでその様子が確認できます。

「ヘッドを置く位置は、大体、30cmぐらい手前において、スパットを最初決めて、そこにしっかりヘッドで合わせてというのをやっていました」

山下美夢有

家族のサポートへの恩返しとなった「母の日」優勝

山下美夢有と母親
母・有貴さんと(Photo by Toru Hanai/Getty Images)

ここまで、山下プロが優勝するために変えてきたことをお伝えしてきましたが、変わっていないものもあります。それは家族のサポートです。自らの性格を“マイナス思考”と語る山下プロ。メジャー大会という大舞台で先頭を走り続けるプレッシャーは相当なものでした。

「1勝してからなかなか思うような順位だったり、思うようなゴルフをできなかったことが多かったので、本当に苦しかったというのが大きかったんですけど、また3試合予選落ちが続いて、メンタルでも結構やられていた部分が大きかった」

そんな中、会場に駆けつけた両親のサポートが、山下プロを大いに助けることになりました。

ゴルフを始めるきっかけを与えてくれ、コーチもしてくれている父・勝臣さんは、娘が打ち急いでスイングリズムが崩れていることを看破、「ハンドファーストにして少しタイミングを変える」ようにアドバイス。その効果もあり、山下プロはメジャーの難しいコースセッティングの中、全体1位のパーオン率(75%)を達成しています。そして母・有貴さんはマイナス思考の娘を笑顔にさせることで、プレッシャーを解きほぐしました。

「本当にお母さんは何事もプラスに考えるので、それが気持ちでもコントロールすることが出来たなと思います。特に変わりはないですけど、いつもの感じで面白いことを言ってくれたり、私が笑顔になるようなことをしてくれてます」

思うようにいかなかった時期も支えてくれた家族に「本当に結果で恩返ししたいと思っていた」という山下プロ。母・有貴さんの誕生日と重なった大会初日に8バーディ、ノーボギーの「64」をマークしてコースレコードを更新し、母の日と重なった最終日は、2位に3打差をつけて大会史上初の完全優勝を達成。これ以上ない完璧な恩返しになりました。

山下美夢有が完全優勝
勝ったどー!(Photo by Atsushi Tomura/Getty Images)

【山下美夢有のクラブセッティング】※ワールドレディスサロンパスカップ2022優勝時

山下美夢有の優勝セッティング
1WスリクソンZX7(9.5°スピーダーTR弐プロト569 SR 45インチ)
3,5WスリクソンZX(15,18°スピーダーエボIV 569 SR)
4,5UスリクソンZX(22,25°ダイヤモンドスピーダーHB 8S)
6I~PWスリクソンZX5(DG85 R300)
AWクリーブランド RTX ZIPCORE(48°DG85 R300)
SWクリーブランド RTX ZIPCORE(52,58°DG95 R300)
PTオデッセイ ホワイトホットOG 2-BALL BLADE
BALLスリクソンZ-STAR XV

1W:スリクソンZX7(9.5°スピーダーTR弐プロト569 SR 45インチ)


3,5W:スリクソンZX(15,18°スピーダーエボIV 569 SR)


4,5U:スリクソンZX(22,25°ダイヤモンドスピーダーHB 8S)


6I~PW:スリクソンZX5(DG85 R300)


AW:クリーブランド RTX ZIPCORE(48°DG85 R300)


SW:クリーブランド RTX ZIPCORE(52,58°DG95 R300)


PT:オデッセイ ホワイトホットOG 2-BALL BLADE


BALL:スリクソンZ-STAR XV

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