佳奈美の初めて始めてゴルフ〈入門〉「知らんがな、そんな事」第10話

第10話 初ラウンドを終えて

家に帰った私は今日のラウンドの事を思い返す。散々だった、走り回って、土ばかり掘っていたような気もする。それでもあのカップに入った瞬間の高揚は最高だった。確か、木下さんがチップインとか言ってた。

・チップイン グリーンへのアプローチショットがそのままカップインする事。

(成程成程。で、アプローチショットって何だ?)

・アプローチ グリーンの周りからボールをグリーンに乗せてカップに寄せるために打つ一番短いショットです。

(ほうほう、そういう事か)

結局、言葉の意味は殆ど理解しないままやっていたのだ。

(まずは、えっと、マーカーとか言ってたな。部長も木下さんもなんか、お洒落な物持ってたなあ)

「別にコインでも良いんだよ」

なんて木下さんは言ってたが、誰もそんなの使ってなかった。

・ゴルフマーカー 自分のボールの後ろに置いて、ほかのプレーヤーがパッティングする時の邪魔にならないように使用するアイテム

(成程ね…)

ゴルフショップのサイトに飛んでゴルフマーカーと入力すると、色んな物が出てきた。値段も色々だ、キャラクター物や個性的な物や、凄く可愛い物もある。名前を入れてくれるところもあるみたいだ

(うー迷う!どれが良いんだ?)

取り敢えず、次のラウンドまでに買えば良いんだと、一端、サイトを閉じる。

 そうだ、部長が何度か言っていたあの言葉。

「島村さん、ラインは踏んだら駄目だよ」

(???ライン?何だ、それ?)

「あ…はい…すみません」

ラインって何だ?グリーンの上で何度か言われたけど、線なんて引いてないじゃない!と私は思っていた。

 今度はゴルフ・ラインと入れて検索してみる。すると、ゴルフのラインの読み方、なんてのがズラッと出てきた。適当にクリックしてみるとラインについて説明が書かれてあった。

・ゴルフ、ラインとは

 ゴルフ用語でいうラインとはグリーン上のボールからカップまでの予測されるルート(道筋)の事である。

(道筋?なんのこっちゃ?)

・ゴルフ規則のパットの線(ライン)に関する記述

 プレーヤーは自分のパットの線に触れる事は禁止、つまりルースインペディメントを取り除く事など認められている事以外では触れてはならない。

(ルースインペディメント?もう、なんでこんな難しい言葉ばっかり使ってるの?)

・ルースインペディメント ゴルフ場に存在する自然物の事。木の枝や落ち葉、虫の残骸等。ただし、直接地面に根を張っている木々や、固定されている物はこれに該当されません。

 また同伴者のラインを踏む事もマナー違反になります。明らかに故意に行っていた場合は二打罰課せられる事もあるので注意する事。

(要するに、ボールからカップまでのボールが通る道って事か、それを踏むなって言ってたのか。

(知らんがな、そんな事)

 グリーンに上がったら、自分のボールと人のボールの位置を確認して、おおよそのラインを意識しながら、自分や他人のラインを踏まないようにする。

何で踏んだら駄目なんだろう?何か変わるのかな?)

今度、米田先生に聞いてみよう、と私は思った。えっと、それからあと、何があったっけ?そうだ、スコアつける時に言っていたあのダボとかボギー、他にもなんか言い方あるのだろうか。

・トリプルイーグル(コンドル) マイナス4

・ダブル・イーグル(アルバトロス) マイナス3

・イーグル マイナス2

・バーディー マイナス1

・パー E

・ボギー +1

・ダブル・ボギー(バザード) +2

・トリプル・ボギー(グラウス)+3

・クワドラブル・ボギー(ターキー)+4

・クインテューブル・ボギー +5

(ヒェ~~いっぱいある。覚えられないよ!)

 やってるうちに覚えられるのだろうか。

あと、クラブの事をアイアンとウッドと言ってたけど、どうしてなのだろう。アイアン=鉄というのは分かるが、ウッドって材木?確かドライバーもウッドだって木下さんが言ってた。全然木材ではない気がする。

ウッド 木製クラブの総称 ドライバーやスプーンの事。

(やっぱり木?でも違うよな…それにスプーンって何だ?)

と、思いながら読み続ける私。

 しかし現在では、ウッドクラブのヘッドは金属が当たり前。ウッドとは元々の名前だけが残っているという事です。

(成程~)

ステンレス製のウッドクラブの出現により、プロゴルファーがトーナメントで優勝をしたりして瞬く間に市場にあるウッドクラブは金属のヘッドへと移行していきました。千九百八十年代の終わりにはもう木製のヘッドは殆ど姿を消していました。ゴルフクラブは「遠く+正確に」という欲望を叶えるために常に進化し続けています。特にウッドは「遠く」という事に重きを置いて進化するクラブです。

(へえ~、そうなんだ)

・一番ウッド ドライバー

・二番ウッド ブラッシー

・三番ウッド スプーン

・四番ウッド バフィー

・五番ウッド クリーク

・七番以降のウッドは飛距離があまり変わらないため奇数番号のみ

(という事は私のセットに入ってるウッドはドライバーとバフィーって事なんだ。みんなこれを使い分けてるんだ)

・一般にドライバー以外のウッドはフェアウェイで打つ事が多い事からフェアウェイウッドと呼ばれている。

 なんか難しい、とチラッと思う私。でも上手くなりたい、という意識も湧き始めている。

(有料レッスン、受けてみようかな…)

もう少し、打つ数が減って、もう少し飛ぶようになって、自分でクラブを選んだりできて、そんな事が出来たら楽しいような気がしてきた。

 それに今日みたいに、誰かと一緒に何かをするって、案外楽しいかも、とも思った。

人と一緒にいるのって苦手だったのに、一日中誰かと一緒にいて苦痛にならなかった。まあ、プレイする事に必死で、そんな事を思ってる暇もなかった、というのもあるのだが。

(次のラウンドあるかな……)

瞼に、また次に誰かと回っている自分の姿が浮かぶ。その時は、ドライバーも今より飛んで、ウッドとかを打って、ユーティリティとかも使いこなして、バンカーでも、外に出さないでそこから打ち上げられる自分の姿。

 そんな自分の姿を思い浮かべながら私は眠りに就いた。

 

いざ、第二ラウンドに向けて――。

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