佳奈美の初めて始めてゴルフ〈初級〉「知らんがな、そんな事」第23話

第23話 力まない意味

家に帰った私は、ウッド、ミスと入力してネットで色々検索したみた。どこも既に試した事のあるような記事しか見つからない。

(何が駄目なんだろう…)

ゴルフはセンスだ、なんていう人がいる。

(センスないのかなあ…)

その不調はしばらく続いた、というか一向に改善しなかった。だからスコアはずっと百二十前後をウロウロしている。他のみんなはどんどん上手くなっているのに自分だけが取り残されているような気分になる。

 何か解決方法はないかと、色んなサイトを見たが参考になりそうなものはなかった。半年近くその状態が続いた。

 そんな時、何気なく見た動画があった。今度はウッドでミスをしない方法では検索せず、ウッドを上手く打つ方法で検索したらできて動画だ。

・肩の力を抜く

そんなのはずっとやってる、と思った。でも次の言葉で「え?と思った。

クラブを握る手を緩めない。

 クラブは最初から最後までしっかり握ったまま振り切る

(もしかして…)

そう、その言葉に思い当たったのだ。私はクラブを振り上げて、一度一呼吸とまでは行かないが少しためて打つのだ。その時に、腕に力が入らないように一回力を抜くようにしている。これが正しいかどうかは分からない、ただ、そうした時の方がコントロールを保てて、飛距離も伸びる。だからずっとそうしていた。私は自分が打つときの様子を思い返す。最近はセカンドショットのミスが多すぎて、セカンドショットでは増々注意して力を抜くようにしていた、その時、握る手の力も抜いていたのではないか――そんな気がしてくる。

 その動画の中で力を抜く事と、グリップを握る手を緩める事は全然、違います。グリップを握る手を緩めるとクラブのフェースの向きも安定しなくてコントロールも悪くなり、飛距離も出なくなります。

 という事だった、気になった私は翌日早速打ちっぱなしへ。スプーンを手にすると、意識してグリップをしっかり握る。腕に物凄く力が入っている気はするがそのまま振りぬいた。

 結果、ボールは真っすぐ勢いよく飛んでくれた。

(マジ…?)

こんな簡単な事だったの?と思った。その後も同じ感じで打ち続けた。ミスはなかった。どうやらウッドの時だけ、何故か物凄く握りが弱くなっていたようだ。原因は分からない、飛ばしたいという意識がそうさせていたのだろうか。最初の頃、失敗を繰り返して、肩の力を抜いた時に凄く飛んだ記憶だけが蘇って、(力を抜いて)という言葉を何度も自分自身に言い聞かせていたように思う、その結果グリップを握る手の力迄抜いてしまっていたという事なのか。こんな簡単な事が分からなかった。というか、気に留めていなかった。兎に角、これでウッドが飛ばなくなった理由がはっきりした。

 あと、他のクラブでも左手のグリップを握る手の力を抜かない、という事を意識して練習したら、飛距離が伸びたように思えた。たったこれだけの事で、こんなに変わるのかと思った。

 力まない、という事は決してグリップを握る手の力を緩めるという事ではないという事、でも以前見たサイトでは軽く握るという事を言っていたサイトもあったような気がする。何が正しいか、正しくないのか、結局、何が自分に合ってるか、合っていないか、という事に尽きるのかも知れない。やってみてダメだったら、それは自分には合っていないという事なのかも知れない。

 そしてその二週間後、コースに出る事になった。これでウッドの失敗がなくなるはず、そしたらスコアも上がるはずと、ワクワクしている。そんな単純にスコアが上がるわけはないととっくに分かってるのに、始める前はいつも今日のラウンドは以前より良いスコアで上がるんだ、なんて思っているのだ。

 今日のメンバーは中本さんと、同じく練習場で知り合った、栗田さん、そして弘美さんと私、いわば練習場仲間だ。栗田さんとは練習場では何度か話した事があったが、一緒にコースに出るのは初めて。

 そうして最初のティショット、百五十ydくらいだろうか、フェアウエイど真ん中、まずまずの出だし、というところだ。そしていよいよセカンド(スプーン)

woman golf player in action of being chip golf ball from rough of fairway to the destination green at day light sky

(グリップを握る手の力を抜かない)

改めてそう自分に言い聞かせて打った。しっかりミートして飛んで行った。

(やったー!)

思わず心の中で叫ぶ私。次のアプローチショットでグリーンオン、パーショットだ、と思いきや、三パットでダボになった。

(あ~あ、入ればパーだったのに…)

なんて思ったが、このままオールダボでいければ百十切れる事になる。と、切り替える。 でもそう甘くないのがゴルフなのだ。

 結局、午前中ハーフは五十七、弘美さんは五十一、中本さんは三十八、栗田さんは四十一、レベルが違うと痛感する。でも中本さんも栗田さんも楽しい人で終始ニコニコしているので、一緒に回ってて、凄く楽しい。出来るだけ足を引っ張らないようにしなくてはと思う。

 二人が打っている間に、赤ティに移動、打ち終わったら、とっとと次のクラブを持ってセカンドショットの位置まで走る。というのもこの三年で身に着いた。後続者や一緒にプレーしている人を出来るだけ待たさないように心掛けるというのがゴルフのマナーなのだ。

Two golf-carts standing at the parking lots against green golf course

 打ってカートにゆっくり乗れるのは、球がしっかり飛んでくれた場合に限る。それにフェアウエイからカートの位置が離れている場合は、カートまで戻るより歩いた方が次のショット位置まで早く付く場合がある。それと、毎回ちゃんと飛んでくれるわけがない私はカートに戻らないままグリーンまで行く事もしばしば、その為には予備のクラブを結構持って出なくてはならない。距離の短いところだと、セカンド打つときに、ウッド二本、7番I、PW、AW.パターと5本も抱えて出る事がある。

 その為、私はフェアウエイにまとめて持って出られる、セルフスタンドゴルフケースなる物を買った。とても便利だ、次あれ持って、これ持ってと思わず、最初にまとめて五本全部入れておけば、次はそのバックを持ったまま、グリーンまで移動できるのだから。きっとゴルフ初心者の為の物なのだろうなと思っていたけれど、意外と年配の男性でも持っている人がいて驚いた。それに女性は持っている人が多い。

 そうして午後のハーフ。なんと九ホール中、七ホールもバンカーに入ってしまった。でも、ありがたい事にっ全部一回のショットでアウトしてくれた。これには大いに満足。でもバンカーに入ると、それほど遠くには飛んでくれないので一打は増えてしまう。バンカーから遠くに飛ばせるのはまだまだ稀なので出すのがやっとなのだ。なので、午後からのハーフは結局五十九打、百十六というスコアだった。でもここのところ、百二十超えが多かった私としては。まあ、ましな方だと思った。

 中本さんは後半も三十八の七十六、栗田さんは四十三で八十四、弘美さんは五十三で百四だった。

(百まで遠い)

という事を実感する私。でも前みたいにセカンドの失敗が格段に減ったので、きっと次はもっといい記録が出せる筈、なんて性懲りもなく思った。

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